2012年5月8日火曜日

製作総指揮と監督 って具体的にどう違いますか?

製作総指揮と監督 って具体的にどう違いますか?







映画を「野球(巨人)」に置き換えるとイメージし易いかと思います。



「映画監督」は…野球における「(原)監督」と同じです。

資金の捻出などを考える必要なく「チーム作り」に専念する事が出来ます。

チームのコーチの選定、選手の補強、練習内容、試合の進め方、シーズン終了時の成績が自分の評価に直結する…などなどが監督の仕事ですよね?

「コーチの選定」を「映画スタッフの選定」と言い換える事が出来ます。

「選手の補強」を「キャスティング(配役決定)」と言い換える事が出来ます。

「練習内容」を「本番前のテスト演技」と言い換える事が出来ます。

「試合の進め方」を「撮影の進め方」と言い換える事が出来ます。

「シーズン終了時の成績が自分の評価」を「アカデミー賞や映画祭での受賞の有無」と言い換える事が出来ます。



チームが優勝すれば、次の年も監督を続ける事が出来ます。

映画が評価されれば、次の映画監督を依頼されます。







では

「製作総指揮」は…野球に置き換えると何になるでしょう。

「野球チームのオーナー(なべつね)」か「終身名誉監督(長嶋茂雄)」になります。



製作総指揮と言うのは「実質的に製作を取り仕切る本物」と「名ばかりの名誉職のニセモノ」がいます。

前者ならば「チームのオーナー」と置き換える事ができますし、後者なら「終身名誉監督」と置き換えることができます。

たとえば

「スーパー8」と言う映画の「監督」は「JJエイブラハム」です。そして「製作総指揮」が「スティーブン・スピルバーグ」です。

「ドラゴンボール・エボリューション」と言う映画の「監督」は「ジェームズ・ウォン」です。そして「製作総指揮」が「鳥山明」です。

この2作品の「製作総指揮」を考えてみるとスティーブン・スピルバーグは「チームのオーナー」

鳥山明は「終身名誉監督」

に分類されるだろうな、と思います。



監督の決めたキャスティングや演出内容に口出しするのがスピルバーグみたいな製作総指揮もいれば

実質的な仕事は何もしない「客寄せパンダ」として製作総指揮に命名された鳥山明みたいな人もいる。

製作総指揮に関しては色々です。

厳密に「こういう仕事!」っては中々言えない仕事です。



具体的に言明出来る事があるとすれば「映画監督」は常に撮影現場に居ます。一年中撮影の最前線にいます。

しかし、「製作総指揮」は時々しか撮影現場には居ません。下手すると撮影現場に一度も来ない製作総指揮もいます。

実質的に映画を作るのは「映画監督」と思って下さい。

「製作総指揮」は「叱咤激励」「方向性の確保」などが仕事で(それすらない人もいるけど、鳥山明みたいな)細かい仕事はあまりしません。








違いについては、それぞれがどういう立場(プラダクションに属しているか、自身で独立してやっているか等)なのかによって色々と事情は異なりますが、簡単に言えば・・・



「製作者」は製作費用を出す人であり、「監督」は製作者からの依頼で(雇われて)映画を撮ることになります。

また、出資する「製作者」が複数人いることも普通のことで、それぞれがアレコレ言い出したら収集がつかなくなりますから、その中で具体的に製作進行の段取りや管理を行なう代表者が「製作総指揮」になる、そんな感じに考えるとよいかと思います。



製作者は映画を作って配給して、良い興業結果を導くためのすべての手配・采配を振るう人になります。つまり、作品のビジネス的な全責任を持つ人になります。

スティーブン・スピルバーグのように自らが監督経験の豊富な人もいれば、製作者としてのみ活躍している人など、様々だと思います。

一般的には、監督経験の無い人のほうが多いように思いますが、自分では映画は作れなくても、作品の評価とビジネス的なセンスのある人が、そういった人の方が製作者としては一般的かなと思います。



上記のように、「監督」は作品自体の完成について責任を持つ人であり、「製作者」は作品を作るための準備・進行から配給まで、ビジネスとしてのすべての責任を持つ人・・そんな感じになると思います。

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